神殿 by Yuukinosight Lyrics

神殿。つま先の濡れ立ち得た猫の袖の君、顔を洗う。響くよ、サイレンス。ドット。何処の誰、名を名乗れ。どうぞ遠慮なく、荒涼に吹き荒れろ。カイン・ターミナルのタイガーストライプ、同心円状の孤独を孤独を祝え祝え祝え。ミルククラウンを、鳥たちはただ眺め、計器を確認しつつ飛び立つ。したためられたこの冬のライダース、真夜中の少年少女へ。バイクから血が溢れている。バイクを血の川が追い越していく。時代がいくつも過ぎる、戦争や抗争を追い抜いて、生きてくれた命たちのただそれだけの物語が集積した里の星、星の都市。大荷物を解くように長い髪を解いた君の笑顔の訳が解けない、小雪が唇に秘められた水道の蛇口で、頬に指を当てていてくれ。そっと。ガーゼが光、または指輪を一周する物音のように溢れ、響き、漏れている。

綿のふうわりとした感触が指を簡単かつ素朴につたい、僕の脇から胴へと漂着する。「胸のあたりが苦しいのは」、エキスポ。キオスク。貨物列車は深夜の森林を一直線に切り裂いて走る、愛し合う動作で迎え入れた女の人。契りの小指と小指、仲睦まじく。燃料タンクに屍の頭が焦げ付いている、石油の埋蔵量はあとどれくらい続くの。僕たちの子供たちは間に合うの。さあさ、古いお話をしましょう。はまっている。はまっていく。正面からラフなボディに切り刻まれながら削いでいく、狂っている、狂っていく。音を跳ね返す、順調に従い。夜行バスで眠る。さび付いたシートベルトがぶっちぎれる、最果てのマラソンランナーたち。夕日の下の電光掲示板に溢れんばかりの愛を。サンシティ、ショッピングモール。カーキの子供服、サッカーのチーム。そういう名前のチーム。なんべん舌をひっくり返しても出てこないような言葉が宮島のフェリーの上空辺りで弾けそうなんだプレイン。バッド・ブレイン、最高のノリに火をつけて「初めましての力」を保とう。幾らでもある、そんな励ましがつまらないだろうか。一長一短、適材適所、世の中の場面が散らばる床のクリーニング・ワックス。しびれ尽くすも良いモノになるよ、反復する刻一刻のクロック。正面から力を蓄えては放出し、蓄えては放出しを繰り返してる。月の下の愚かな若さが悲しく憂鬱な夏の終わりを演じていた。
バイクの一生が集積したスクラップ場、微生物の祝杯が演芸場を飛び越えて楽になるよガソリンの臭う日曜日。お婆さんの手押し車が畑にあり、トラックや耕運機が風を梳かしている。子供がお腹をすかせている、光が移動する。賢い顔つきをした猿が跳躍する、光は移動する。重ね重ね、誘発される小さな意匠の取っ組み合いが一段落した所に、今でも留まって麗らかな揺動のままに加わっていく。風船は高原でビニールの反射光と同期しながらゆったりと飛んでいる。ああ、閑静だ。スケッチが水に浸かり、虫達の声が僕の瞳孔を開かせる。

神殿。つま先の濡れ立ち得た猫の袖の君、顔を洗う。響くよ、サイレンス。ドット。何処の誰、名を名乗れ。どうぞ遠慮なく、荒涼に吹き荒れろ。カイン・ターミナルのタイガーストライプ、同心円状の孤独を孤独を祝え祝え祝え。ミルククラウンを、鳥たちはただ眺め、計器を確認しつつ飛び立つ。したためられたこの冬のライダース、真夜中の少年少女へ。バイクから血が溢れている。バイクを血の川が追い越していく。時代がいくつも過ぎる、戦争や抗争を追い抜いて、生きてくれた命たちのただそれだけの物語が集積した里の星、星の都市。